本シンポジウムは終了しました
毎日空を飛んでいる旅客機が地球環境の研究に大きく役立っていることをご存じでしょうか。中澤高清先生を中心とした大気研究班は、大気CO2濃度の実体解明に向け30年以上に及び研究を続けています。本シンポジウムでは、世界的にも大きなインパクトを与えた研究の一端が明らかにされると共に、後半のパネルディスカッションでこれからの人類及び地球環境について考えていきます。
講師
中澤 高清
(東北大学名誉教授・
東北大学客員教授)
「気候を変える温室効果気体 -その増加を探る-」
地球で快適に暮らせる穏やかな気候を作り出すために重要な働きをしている温室効果気体が産業革命をきっかけに急速に増加したことにより、近いうちに気候が大きく変化すると懸念されています。
この地球温暖化問題に対応するには、温室効果気体の増加について理解し、将来の大気濃度を予測し、増加を抑えるための対策を立てることが重要です。本講演では最新の研究成果をもとに、温室効果気体の増加に関する現状の知識を紹介します。
町田 敏暢
(国立環境研究所
地球環境研究センター
大気・海洋モニタリング推進室 室長)
松枝 秀和
(気象庁気象研究所
地球化学研究部 第一研究室長)
澤 庸介
(気象庁気象研究所
地球化学研究部第一研究室主任研究官)
「航空機がとらえた二酸化炭素の新しい循環像」
運航中にCO2を排出せざるをえない航空機が、いま地球環境の研究に大きく役立っています。
旅客機に観測装置を搭載し、世界の空の温室効果ガスを定期的に観測するという世界初の試みにより、上空におけるCO2観測データを飛躍的に増やすことができました。温室効果ガスが地球大気の中を3次元的にどう循環しているか、観測の歴史や観測機の紹介とともに、最新のデータを交えて紹介します。
陽 捷行(北里大学副学長)
「はなしのはじめ:地球生命圏における人類」
46億年前に地球が誕生し、大気圏、水圏、地殻圏、生物圏、土壌圏などが分化したあと、今から約1万年前に人間圏が誕生した。この人間圏は拡大を続け、今では70億の人口が地球生命圏にひしめいている。地球生命圏はこの圧力に耐えられるのであろうか。
及川 武久(筑波大学名誉教授)
「生物圏と大気海洋をめぐる炭素」
大気圏-海洋-陸域生物圏の間で大規模な循環系を形成しているCO2。
産業革命を機に大気中の濃度は年々増加し、地球温暖化を加速させている。
温暖化が、特に陸域生物圏にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、最近の知見を紹介しよう。
近代の機械文明の発達によって大がかりな自然の改変が進行し、地球規模で見られるようになった環境変容。
地球温暖化などの変動現象は、人間活動が自然界の仕組みを変えるまでに巨大化したことのあらわれだと言えるでしょう。このまま成り行きに任せて不都合な結末にならぬよう、研究者として地球環境の変容をつぶさに見てこられたパネリストのみなさんには、その知見を生かして対応策をご提言いただき、会場にお集まりの方々とともに人類と地球のこれからについて討論を進めていきます。
パネリスト:中澤 高清・町田 敏暢・陽 捷行・及川 武久
コーディネーター:小川 利紘
パネリストプロフィール
日程 | 5月16日(水) |
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時間 | 講演 13:40~15:30 1.13:40~14:00 陽 捷行「はなしのはじめ:地球生命圏における人類」 2.14:00~14:20 及川 武久「生物圏と大気海洋をめぐる炭素」 3.14:20~14:50 町田 敏暢・松枝 秀和・澤 庸介 「航空機がとらえた二酸化炭素の新しい循環像」 4.14:50~15:30 中澤 高清「気候を変える温室効果気体 -その増加を探る-」 パネル討論 15:40~17:00 「これからの人類・地球共生系」 パネリスト:中澤 高清・町田 敏暢・陽 捷行・及川 武久 コーディネーター:小川 利紘 ※シンポジウム終了後、出演者との懇談会があります。 |
会場 | アサヒ・アートスクエア 4F スーパードライホール (東京都墨田区吾妻橋1-23-1) |
定員 | 180名様 |
参加費 | 無料(事前のお申込が必要です) |
主催 | 公益財団法人アサヒグループ学術振興財団 |
後援 | 墨田区(申請中) |
応募締め切り | 5月9日(水)お申込分まで |
お申込方法 | 本シンポジウムは終了しました |
お問合せ | 公益財団法人アサヒグループ学術振興財団 TEL. 03-5608-5202 FAX. 03-5608-5201 受付時間:9:00~17:30(土・日・祝を除く) |
会場への地図 | ![]() |