顕彰事業

第2回アサヒビール芸術賞

第二回アサヒビール芸術賞 受賞者

社員が選んだ芸術賞(敬称略・順不同)

  • 宮城 聰(みやぎ さとし)
  • 特定非営利活動法人 C.A.P.[芸術と計画会議]
  • 小山田 徹(こやまだ とおる)

※2005年3月22日(火)授賞式開催

受賞者のプロフィールと選考理由
  • 宮城 聰
    演出家、特定非営利活動法人 ク・ナウカ シアターカンパニー理事長)

    宮城聰 演出 『王女メデイア』 1999年、アサヒ・アートスクエア

    宮城 聰 演出
    『王女メデイア』
    1999年、アサヒ・アートスクエア

    撮影:六渡 達郎

    「題材の掘り下げも深く、印象に残る舞台が多い。看板である「二人一役」をどう発展させ、また打破していくのか、今後が大いに楽しみである」(社員のコメントから)

    【理由】
     人形浄瑠璃のように、演じ手と語り手を分けて「二人一役」で上演するという独特の手法を現代演劇に応用し、世界を舞台に活躍している。劇団をいち早くNPO化するなど公共性を意識した活動をしており、異分野とのコラボレーションや演劇の新しい場の発掘など、多彩な活動を展開している。洋の東西を問わず古典から題材を選び、文楽、歌舞伎、能といった伝統芸能を現代芸術として表現する先駆的な演出家としての活動を高く評価した。
    【プロフィール】
    1959年
    東京・神田生まれ。東京大学在学中より劇団活動を開始。
    1986年
    現代小説を元にみずから構成・出演するソロ・パフォーマンス「ミヤギサトシショー」シリーズをはじめ、「確固たる“語り”の技術の上に舞踏的要素の加味された、新しい“道化芸”の誕生」と注目を集める。代表作に『小説伝』『純愛伝』(小林恭二作)、『ノーライフキング』(いとうせいこう作)、『ホーキング博士のブラックホール生活』(荒俣宏作・麿赤児演出)、『蟹は横に歩く』(宮沢章夫作・平田オリザ演出)など。
    1988年
    『小説伝』でパルテノン多摩フェスティバル最優秀賞受賞。
    1990年
    「ク・ナウカ」を結成。演出家として、ひとつの役を「語る」俳優と「動く」俳優の‘二人一役’で演じる手法で現代人の〈ロゴス〉と〈パトス〉の乖離を反映させるとともに、俳優の日常を越えた演劇的エネルギーを誘発する試みを続けている。海外公演や外国人芸術家との交流も活発。外部演出作としては、第1回シアターオリンピックス(1995年8月・ギリシャ)で上演された劇団SCOT『エレクトラ』(演出:鈴木忠志)に共同演出で参加。ほかに『シンデレラ』、『ロミオとジュリエット』、平田オリザ作『忠臣蔵』(以上静岡県舞台芸術センター)などがある。
    2000年
    『熱帯樹』で東京都千年文化芸術祭優秀作品賞受賞。
    2004年
    『マハーバーラタ』で第3回朝日舞台芸術賞受賞。
  • 特定非営利活動法人 C.A.P.[芸術と計画会議]
    (文化機関、代表 杉山知子)

    C.A.P.
    「CAP HOUSE 190日間の芸術的実験/100人大掃除」

    「地域と密着した着実な活動で、社会貢献的意味も果たしており、若手の活躍の場にもなっている。震災を乗り越えた継続的な活動とその歴史に敬意を表したい」(社員のコメントから)

    【理由】
     神戸市から旧神戸移住センターを借り受け、総合的なアートの拠点CAP HOUSEを神戸の中堅アーティストの作品発表の場として運営している。阪神・淡路大震災前から始めた社会との協働活動をその後も一貫して継続、単なる作品発表の場とするだけでなく、カジュアルかつ柔軟な体制でさまざまな新規事業を展開している。NPOによる公共建築の運営の先駆的な事例として、着実な運営展開で新たな拠点づくりの全国的モデルケースとなっている。芸術文化と社会を結ぶ方法を提案する活動として高く評価した。
    【プロフィール】
    1994年
    設立。以来、アーティストの立場からもっと身近に、オープンに芸術を共有する場が提案できないかと考えてきた。
    1994年
    神戸市の小美術館構想に対して12人のアーティストが集まり、これから本当に必要な美術館とはどういうものかを提案書にまとめた。これがきっかけとなってC.A.P.は誕生。当初、このようにC.A.P.の活動は話し合うことでした。
    1995年
    阪神淡路大震災の年、フランス、スイスのアーティストから義援金を受けC.A.P.のワンデイ・アート・パーティー「CAPARTY」を開催することになり、以後、アート・セミナー、ワークショップ、街全体を使った参加型の展覧会、独自の視点で観光の在り方を提示した街歩きのイベント、などなど、様々なワンデイ・アート・パーティー「CAPARTY」を開催してきた。
    1999年
    CAPARTY 8回目として旧神戸移住センターに於いて「CAP HOUSE-190日間の芸術的実験」を開催することになった。ほとんど廃ビルだった建物で「100人大掃除」からスタート。その後アトリエを作り、ギャラリーも設置。次々と新しい催しが企画・開催され、締めくくりにはオープンスタジオにダンスパフォーマンスやコンサート、ワークショップなど参加したアーティストが半年間の成果を披露し、2000年5月10日に予定通り閉館。
    2002年
    C.A.P.は NPO法人となり、神戸市から旧神戸移住センター管理の仕事を引き受け、そこでCAP HOUSE プロジェクトを再開した。CAP HOUSEはアーティストの活動を公開する場であり、アートをめぐる市民の交流の場。このプロジェクトでは現代美術の作家が中心となり作品制作の場を公開するだけでなく、展覧会、ワークショップ、コンサート、上映会など、様々なプログラムを実施し、芸術に触れ親しむ人達の可能性を開き、豊かな社会の創造に寄与できれば、と考えている。
  • 小山田 徹
    (美術家)

    小山田 徹「カラス板屋」2001年、アサヒビール本部前

    小山田 徹
    「カラス板屋」2001年、
    アサヒビール本部前

    「生活者の視点に立ち、地域への広がりがあり、押し付けがましさがないプロジェクト型活動で、新鮮で、共感がもてる」(社員のコメントから)

    【理由】
     観客とのコミュニケーションを目的とするプロジェクト型の作品を展開。生活者としての視点を大切にし、依頼者の地域からの情報発信、地域振興を目的とした芸術活動にこだわっている。「芸術」や「作品」の概念に捉われず、地域コミュニティの活性化作業として芸術を捉える根源的な社会参加型芸術家として活躍している。現代を代表する美術家として高く評価した。主な活動に「しあわせのしわよせ」「カラス板屋」などがある。
    【プロフィール】

    美術家。風景収集狂者/Land Scape Maniacs を活動名とする。

    1961年
    鹿児島に生まれる。京都市立芸術大学日本画科卒業。84年、大学在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。おもに企画構成、舞台美術を担当し、国内外の数多くの公演に参加する。現在は個人的に休業中。ダムタイプの活動と平行して90年から、さまざまな共有空間の開発を始め、コミュニティセンター「アートスケープ」「ウィークエンドカフェ」「コモンカフェ」「祈る人屋台」「カラス板屋」などの企画をおこなうほか、コミュニティカフェである「Bazaar Cafe」の立ち上げに参加。現在は、それらの活動を通じて集まったさまざまな分野の友人たちと造作施工集団を作り、共有空間の開発をおこなっている。
    1984年
    DUMB TYPE の活動を開始。(2000年まで)
    1992年
    コミュニティセンター“Art-Scape”を創設。
    1994年
    “Weekend Cafe”を運営。(96年まで)
    1998年
    コミュニティカフェ“Bazaar Cafe”の立ち上げに参加。
    Asian Cultural Council の助成を受け、アメリカに3ヶ月滞在。「風景の記憶」という散歩の企画をおこなう。
    1999年
    「ID 10」という施工グループを組織し、Bazaar Cafe の改装をおこなう。
    「Common Cafe/共有茶屋」、南芦屋浜アート&コミュニティ企画。(兵庫)
    2000年
    「祈る人屋台」プロジェクト、スパイラルガーデン。(東京)
    「きき耳」ワークショップ、霧島アートの森美術館。(鹿児島)
    ID 10 で「吉田屋料理店」を施工。
    2001年
    共有アトリエ「T-ROOM」をオープン、運営を始める。
    「カラス板屋」、アサヒビール本社前。(東京)
    京都パレスサイドホテル内にて、コミュニティバー“Com-Pass”を開始。
    「カラス板屋」、水戸芸術館。(茨城)
    2002年
    「Beautiful Life」展、水戸芸術館。(茨城)
    山口市情報芸術センターのアートマネージメント養成企画に参画。
    大阪市アーツアポリア事業のプログラムとして、築港赤レンガ倉庫の空間開発に参加、「アントルポッの放課後」という名の空間を制作。
    2003年
    「喫茶六花」をT-ROOMのメンバーと施工。
    「ガーデン/山荘の時間」展、アサヒビール大山崎山荘美術館。(京都)
    「図鑑天国」展、大坂成蹊大学ギャラリーB。(大阪)
    2004年
    「小山田徹:しあわせのしわよせ」展漫画家・滝田ゆうの視線とのコラボレーション、すみだリバーサイドホール・ギャラリー。(東京)村上共同農園「畑の横の小屋」を施工。「取手蛍輪取手アートプロジェクト杯、自転車脚力発電レース!」、取手アートプロジェクト2004。(茨城)
    2005年
    「きのうよりワクワクしてきた。~ブリコラージュ・アート・ナウ日常の冒険者たち~」、国立民族学博物館(大阪)の空間デザイン、設営を担当。
推薦委員
  • 河野 孝(日本経済新聞編集委員)
  • 小沼 純一(早稲田大学文学部助教授)
  • 熊倉 純子(東京藝術大学音楽学部助教授)

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